茅ヶ崎東海岸、タニモト歯科クリニック院長の谷本です。
本日日曜日はクリニック休診日。
今話題の(私の中では今最も気になる)三浦市初声町の北川湿地に行ってきました。
北川湿地は、京急三崎口駅から徒歩10分に位置する「県内最大級の湿地」で、
周辺には 「貴重種」 と呼ばれる生物が97種も生息しています。
湧き出る小川にはメダカが泳ぎ、蛍が闇夜に舞う・・・。
その貴重な場所で、今月8日より埋め立て工事が始まったのです。
残土処分場となり、近い将来には宅地開発がされるとの事です。。。
参考)三浦・三戸自然環境保全連絡会 http://www.kndmst.net/mito/
朝日新聞 2010.4.18朝刊より
このような、丘陵地が水の流れで侵食され形成された谷状の地形を「谷戸」といいます。
以前は稲作に利用されていた所が多いようですが
現在では、放置された水田に新たな生態系が作られ
独特な自然環境が残されている貴重な場所でもあります。
私は、谷戸と名の付く地名があれば、水辺を見つけないと気がすまない
根っからの「谷戸好き」です。
生まれ育った横浜市栄区には谷戸が数多くあり、
幼少の頃から格好の遊び場であった事が起因しています。
学生時代に過ごした、北海道の大自然ももちろんすばらしいのですが、
都会の一角で、人の生活と寄り添って非常に危ういバランスの中で
生き物達が力強く生活している、谷戸という箱庭的な
自然環境に非常に魅力を感じるのです。
現地に行ってみると、湿地の下流部ではショベルカーなどの重機がすでに入っており
かなりの面積が、土砂で埋められていました。
湿地内部へは立ち入り禁止のため、外から中の様子をうかがい知る事はできませんが、
道端には今では珍しくなった日本古来のたんぽぽが咲き乱れ、
四方八方から鶯の声が聞こえてきます。懐かしさを自然と感じる空気がそこにはあります。
長い経緯の末の結論なのでしょうが、他に選択肢があるのでは
と思わずにはいられなくなります。
こちらは、実家の近所に見られる谷戸。
一見非常に綺麗ですが、十数年前までは両面護岸された都市型河川でした。
一度壊した自然を修復するには、長い年月と、莫大な費用(税金)が必要。
しかも元には戻りません。。。
壊した物を直したり、今ある貴重な物をこれから壊したり・・・。
失って初めて気付くのが人間?
つくづく今日の体験を通して人間の難しさを考えさせられました。
規模は違えど、日本を含め先進国が、中国やインドなどの発展途上国を
非難するのにも似ている気がします。
やはり、治療よりも予防が大事。
歯科医院のブログなのでこう締めくくっておきましょう。