こんにちは
茅ヶ崎市東海岸北の歯医者 タニモト歯科クリニック
ブログの冒頭に30分頭を悩ませている
歯科衛生士の太田です。
えぇ もうこれでいいです。
とある患者さん。
歯周病の検査の結果
一部 歯周ポケット(歯と歯茎の境目の深さ)が深く
歯周病は歯周病原性細菌(バイオフィルム)による慢性的な感染症であり、
歯を支える歯茎や骨を破壊していくこと
このままの状態では進行していくこと、
防ぐには歯周病の治療が必要なことをお話すると
「え〜症状もないし分からなかったよ。歯周病に効く薬ないの?」
この質問、非常に多いです。
風邪をひいたら薬を飲む
熱がでたら薬を飲む
花粉症がひどかったら薬を飲む
細菌感染症と聞くと
それに効く特効薬があるのではというアイデアがでてくる
のは不思議ではありません。
答えはNOです。
治療の一環として抗菌薬を使用することはありますし、
歯磨き粉や洗口剤を使用してもらうこともありますが
これで治るというものはありません。
理由は
バイオフィルムには抗菌薬は効かないから!
バイオフィルムとは細菌の集団であり
個体(歯)に付着しているものです。
このバイオフィルムの構造は上の図のように沢山の細菌が
手と手を取り合い凝縮しています。(生きています)
一種類の細菌だけであれば抗菌薬も効くかもしれませんが
このバイオフィルムは様々な細菌がお互いの弱いところを補い合い
個体でもない液体でもないゲル状となり防御体制を整えるのです。
例えるなら浴槽のヌメりや花瓶のヌメりと同じです。
こうして一体化したバイオフィルムには抗菌薬に対して
数百倍もの抵抗力が増すと考えられています。
つまり抗菌薬だけではバイオフィルム内の細菌を駆使することは
困難ということになります。
では薬に頼らずどのように治療をするのでしょうか。
それは歯茎の周囲と歯茎内のバイオフィルムを適切なブラッシングと
歯科医院による機械的な歯石除去を行い
成熟したバイオフィルムをなくしていくことです。
当院では
歯茎の上(歯肉縁上)のケアは患者さん自身によるセルフケア
歯茎の下(歯肉縁下)のケアを歯科医院によるプロフェッショナルケア
と呼んでいます。
どちかが一方的に頑張っていては治療は上手くいかないのです。
そのために今 取り組んでいるのは
患者さんがやる気になるブラッシング指導です✨
毎日行うブラッシング。
知っている やっている でも実際は?
どうしてそこを磨かなきゃいけないのか、
磨くとどう変わるのか、
患者さんが歯ブラシの力ってすごい!と思っていただけるように・・・
医院で勉強しています。
今年も残すことあと2ヶ月、がんばろう!